スウェーデン語の名詞 1 定形と不定形

スウェーデン語を学び始めて、まずつまずいたのは文法用語だった。
ただでさえ、名詞も動詞も形容詞も活用でどんどん単語の形が変わっていくのだけど、その理屈を理解するための文法用語(日本語)がわからず苦労した。

まず名詞の定形と不定形。
不定形:Han läser en bok.(彼はを読んでいます)
定形:   Han läser boken.(彼はその本を読んでいます)
つまり不定形は英語でいう「a(an)~」、定形は「the ~」。
このルールだけみると簡単そうなのだが、名詞には共性名詞と中性名詞があり、さらに定形・不定形のパターンは5つある。
上記の「bok(本)」は共性名詞の第3変化なので単数定形は「boken」となるし、複数不定形は「böcker」、複数定形は「böckerna」。大混乱。。

それになぜか、わたしはしばらく「定形」と「不定形」を逆にとらえていた。
定形のほうが単語の元の形っぽいというイメージを勝手に持ってしまっていたのだ。
定形はカチッと単語を固定して定めるから「the ~」、不定形はふにゃふにゃとして捉えられずどれか一つを指すわけではないから「a(an)~」と何度も何度もイメージを上書きしてやっとこの文法用語を覚えられた。
覚えたといっても、日本語の文法用語、なのでトホホ感が否めないし。

で、肝心の定形・不定形の5パターンは下図のとおり。

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こうして並べてみると、膨大な数の名詞の変化を覚えるなんて、無理、吐きそう!!
と投げ出しそうな気になる。
けれど、言葉の習得は自転車に乗るようなもので、学習をつづけるうち、頻出する単語、たとえば「en Kvinna(女)」の定形が「Kvinnen」などと書いてあったら違和感で肌がかゆくなるようになってきた。
誤:Vad heter kvinnen?
正:Vad heter kvinnan?(その女性の名前は?)

すこしずつ意味のないように思えたものに血や息吹がふきこまれることで、見える景色まで違ってくるから不思議。
古代の人々が星々をむすんで星座を生むように、スウェーデン語のかけらをひとつひとつ拾って、今まで見えていなかったけれどそこにあったものを感じてみたい。