スウェーデン語の名詞 2 共性名詞と中性名詞

スウェーデン語の名詞に性別があると知ったとき、かつてのスウェーデン人たちは言葉を生きもののようにとらえていたのかなあと思った。
そこに日本語と共通の意識を感じた。
日本語の名詞には性別がないけれど、日本語の、特に漢字は象形文字っぽく、今にも動き出しそうな生きもの感がある。

というわけで、今日は共性名詞と中性名詞。
かつてスウェーデン語には女性名詞・男性名詞・共性名詞・中性名詞があった。しかし、現代になり、ジェンダーの観点から言語革命が起きて共性名詞(共性+女性+男性名詞)と中性名詞の2種類となったのだそう。

共性名詞と中性名詞のちがいは下記のとおり。
ー共性名詞ー
・冠詞:en
en buss(バス)、en bil(車)、en pojke(男の子)、en säng(ベッド)、en gen(遺伝子)、en vår(春)
・指示代名詞(単数):den
- Var är sängen?(そのベッドはどこにあるの?)
- Den är i mitt hus.(わたしの家にあります)
・疑問代名詞(単数、主語にくるとき):Vilken
Viken av böckerna vill du läsa?(この中ではどの本をを読みたい?)

ー中性名詞ー
・冠詞: ett
ett äpple(りんご)、ett yttrande(発言)、ett garage(ガレージ)
・指示代名詞(単数):det
- Har du stängt fönstret?(窓を閉めましたか?)
- Ja, det är stängt.(はい、閉めてありますよ)
・疑問代名詞(単数、主語にくるとき):Vilket
Vilket är det nyaste av de här husen?(この中で一番新しい家はどれですか?)

 

現代スウェーデン語の名詞で約80%は共性名詞といわれている。
ということは、中性名詞を見分けることがポイントになるよう。

例外はあるけれど、大体の見分け方を覚えておくと便利だ。
ー中性名詞の見わけ方ー
1. 物質名詞
ett bröd(パン)、ett kaffe(コーヒー)、ett smör(バター)
2. 名詞になった行為の現在分子(人以外)
ett beteende(行為、ふるまい)、ett ärende(用事)、ett meddelande(伝言)
3. 外来語
ett problem(問題)、ett teleskop(望遠鏡)
4. 文字
ett a(文字のa)
5. 語尾が-age、-eri、-em、-iv、-skop、-tek、-um
-age:ett bandage(包帯)、ett garage(ガレージ)
-eri:ett draperi(カーテン)、ett tvätteri(クリーニング屋
-em:ett problem(問題)、ett system(組織)
-iv:ett initiativ(イニシアチブ)、ett motiv(動機)
-skop:ett mikroskop(顕微鏡)、ett teleskop(望遠鏡)
-tek:ett apotek(薬局)、ett bibliotek(図書館)
-um:ett museum(博物館)、ett stipendium(奨学金